石臼挽き自家製粉・十割手打ち
営業時間 | 11:30~15:00(L.O.14:30) 18:00~22:00(L.O.21:00) お蕎麦売り切れ仕舞 ㈫㈬定休日 |
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アクセス | 地下鉄「薬院大通駅」1番出口から徒歩5分 |
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2週連続の3連休。
基本一人で調理をこなすので、体がかなりクタクタ...
これはもう予想がついていたので、慰安旅行へ。
その道中で書いたのがコレ(笑)
心を落ち着かせ、硯で墨をすって。
墨の香りに懐かしさを感じながら。何を書こうか色々迷った挙句、最後にふっと降りてきた言葉がこれ。
蕎麦ふたすじ
普通は蕎麦ひとすじってなるんでしょうが(笑)
僕の場合は欲張りなので、蕎麦も料理もそれぞれ一筋ずつ。
中途半端と言われれば致し方無いですが、僕は自分の出来る100%を常にぶつけているつもり。
だからいつも頭の中はお蕎麦と料理の事で何かを考えている。
昨日のやつより今日はもっと美味しく!!
センスの無い僕は中々進歩しないんですけどね(笑)
でも牛歩してるつもりです。
長時間の運転。逆に疲れたような気がしますが…(笑)
心が充電できました。また頑張れそうです。
先週水曜日にコロナの診断
そのときは熱も37度くらいだし、言われなければ体が少し重いな?くらいの感覚。
しかし次の日から徐々に体調が悪くなる一方で、ピーク時は熱が39度近く、喉は焼けるようにというか刺すように痛く唾を飲むのさへ覚悟を決めないといけないくらい。
気がかりはやはり御予約を頂戴している御客様。
なんとか全てのお客様に連絡着いたものの、申し訳ない気持ちで一杯。
こういう時に限って予約数が多いのである汗
しかも蕎麦懐石やコースのお客様も…
しかし長いトンネルだった
今まで沢山の方が感染しているだろうから特別な事ではないのだろうけど
ここまで長引くとは
あまりにキツイので、入院すべきか病院へ電話するレベル
5類になったから大したことないと高を括っていたが、他の人より症状が重いらしい
昨日は病院に言われた拘束期間もおわり、注文していた蕎麦の受け取りや仕込みの為の状況把握の為に店へ。
久しぶりに動くからか、とにかく体がキツイ
何度も目眩を起こしながら仕込みの段取りを3時間もかけて終了
こんなにしんどくて㈭から再開できるのか?
焦燥感にかられつつも本日は少し良いようだ
軽いトレーニングもゆっくり時間をかけたが何とかこなせたし、さて明日はすっからかんになった冷蔵庫の仕込みである
長期で休むとパッと営業再開できないところが飲食店の大変なところ
まあ無理してもしょうがないので、マイペースでやりますか
明日はもっと元気な気がする
毎年子供の春休みに合わせて行く佐賀県吉野ケ里の松本農園さんへ。
事の発端は、苺狩りは苺を洗って食べないので、子供たちに安全な無農薬のものを食べさせたいということから。
もうかれこれリピーターになって15年くらい?
話をすればするほど松本さんの凄さがわかる。本当に素晴らしい考えの方です。
苗の時に低農薬で1回だけ撒くそうです。
1回撒くやん?完全無農薬じゃないやん?
皆さん、普通の農家さんの苺、出荷まで何回農薬撒いているか御存知でしたか?
聞いて本当にビックリしました。なんと60回ほどらしいです。
恐らく苗の時の1回も出来るだけ無農薬に拘る松本さんが試行錯誤を重ねた究極の答えだと思います。
ハウスには拘りも色々。
無農薬なのでモグラもハウスのものを狙ってきます。それを防ぐのに工夫しているのがジャンボニンニク。周辺に植えています。
今では全国的に有名になった
福岡ブランドの【あまおう】。
勿論美味しいですが松本さんのは【とよのか】
知っている苺の中で一番美味しいです。
ブランド、品種ではなく【松本さんの苺】
が美味しいのです。
最初に収穫の仕方や選別の仕方を習います。
ここにも出来るだけ美味しい苺を食べて欲しいという思いに溢れています。
しっかり完熟した甘ーい苺を食べてほしい。
もう15年通っていると、ほとんど未熟の苺を収穫することなく、ほぼ外しません!!(笑)
自信をもって育てている松本さん。それだけの試行錯誤、努力、研究を重ねてきたので、お客さんが練乳なんぞ持ってきて付けようもんなら怒り倒します!!(笑)
当然です!!勿体ないです。
この苺はそんな苺なんです。
こうやって、こうするから美味しくなる。
そのやり方は他の野菜作りにも共通しているそうで。
ほかの野菜たちも無農薬で作られています。
共通して言えることは、ここの野菜は全てエグ味が無く甘い。
無農薬だから大根の葉や普段捨てているキャベツの外側の葉まで食べられる。
糸島の無農薬栽培の人参を使って、凄く甘いという話をしたら、無農薬だから甘い。
農薬を使うからエグ味が出る。
しかし無農薬で栽培するのは口で言うほど簡単なものではない。
梅雨時期、当然ハウスの中は湿度が上がる。農薬をしていないとカビが生える危険性がある。
勿論生えてダメになることもあるそう。
虫もたくさんいる。色んな工夫をして今があるのだ。
だから質問をすると何でも答えてくれる。こうしたらこうなる。何でも知っている。
言い方は失礼だが見た目はそう見えない。
でも講習会で講演したり、実は凄い人なのだ。
でもそれを感じさせない人柄がまた素晴らしいのだ!!
スナックエンドウ。
筋とって食べてみい。
生で?と思ったが、食べてビックリ。
まるでトウモロコシ。
しかも甘さの余韻がとても長い!!
これも同じ理論で作られているらしい。
こうするから、こうなる。
扱っているモノ、食材が違うだけですべてが共通している。
特に僕ら職人とベクトルが似ている方達とは。
とてもとても勉強になる。
もうあと何年やれるかな?行く度に最近その言葉を耳にする。
もう少し勉強させて頂きたいです…
9/11~13で静岡まで研修に行って来ました。
目的は勿論お蕎麦のレベルアップと食材豊富な静岡での料理の勉強。
台風と台風の合間で天気にも恵まれ、食材、料理、人と素晴らしい出会いがありました。
今後の成長に繋がれば嬉しいです。
蕎麦屋で知らない人はいないんじゃないかと言う程の超有名店。『藪蕎麦宮本』さん。
dancyuやその他全国紙でも取り上げられている現代最高峰の職人の一人です。
県内色んな所から富士山を見ることができますが、このアングルの富士山も素敵でした。
夏場は雲がかかりやすく、綺麗に見ることが出来たのはとても運が良かったらしく、この数時間後には、ほとんど見えなくなってしまいました…
初日夜はお世話になっている静岡の蕎麦屋の名店、田形さんお勧めのフュージョン、シンプルズさんへ。こちらは静岡でも有名なサスエ前田鮮魚店から魚を仕入れていて、その日の仕入れで献立が決まる素晴らしさ。
中でも特筆すべきは、食材の組み合わせと調味料の使い方。食材が素晴らしいのは勿論だが、組み合わせが天才的です。
思わず唸ってしまいました!!
Simples
静岡県静岡市葵区馬場町39-3
☎054-221-7733
とても美味しかったです。ありがとうございました。
藤枝市から広まったらしい朝ラー。
夜中まで飲んで、そのままの流れで締めのラーメンはありますが、朝食の為に早起きしてラーメンは初。しかも6:30から営業。
しかもお客さんが意外に多くてさらにビックリ!!
2日目夜はひとりで懐石の勉強で日本料理FUJIさんへ。ここもシンプルズさん同様、すごい人気店で、奇跡的にカウンター1席空いていて、滑り込み!!
若き、しかもイケメン(ちょっとジェラシー笑)店主のお料理はどれも素晴らしく、予約困難も納得です。
そしてさらに、前日お伺いしたシンプルズさんと同じ魚屋さんから仕入れていて、もちろん魚も凄く美味しい。
なので、同じ種類の魚を店主の感性で違う調理法、味付けで食べ比べでき、奇跡のような体験。もちろん店主の技量あってのことだが。
料理は全てが面前で仕上げられる。
他のお客さんが帰られて外で暫く店主と立ち話させて頂いたんですが、これも拘りのひとつみたいだ。若きイケメン店主はスムーズにここまで来たと思いきや、結構苦労された話なども立ち話で。とても共感するところも多く、人柄にも魅了された。
奇跡はまだあって、静岡で一人カウンターなので、ボッチかと思いきや、何とお二人福岡から。しかもココの料理を食べる為に。
まさか静岡で博多弁が飛び交うとは(笑)
最後は逆側のお客様ともお話でき、何とカウンターの全てのお客様と会話に。
静岡県静岡市葵区栄町3-6
日本料理FUJI
054-260-5166
イケメン店主!!
こんなに大きな天然舞茸は初。
収穫も大変だったであろう。
最後はメインイベント、静岡、いや全国でも屈指の名店たがたさんへ。
仕事見学を快くさせて頂いた懐の大きな方です。もちろん人によっては嫌がる方もいると思います。
出汁の取り方、製粉や、蕎麦打ちの全工程を包み隠さず。もちろん誰にでも見せる訳ではないと思いますので、ありがたい限りです。
そしてとてもとても勉強になりました。
あれもこれも取り入れてみたい事多し。
定休日明けだから蕎麦くらいしかないよと言いながら、あれこれ出して頂けて。
こちらでしか見たこともない地元のお酒に、あれやこれや。幸せな時間。
そして生シラス。静岡と福岡は共に海、山、川があり、食材豊富だが、静岡にはオンリーワンが色々あるのが凄いところ。
さらに季節は違うが桜エビ。何と世界でもココと台湾の二か所しか獲れないらしい。
次回は生の桜エビも食べてみたいです!!
最後は産地違いのせいろを3種。
勿論、味香り素晴らしく、天才っているんだな。と
初めてみた塩だれも良かったな。
今回の静岡、本当に田形さんには至れり尽くせりして頂き、感謝しかありません。
おかげで静岡大好きになりました。
飛行機だと思っていたよりもかなりスムーズに行けます。また是非お伺いしたいです!!
静岡県静岡市葵区常磐町2-6-7
手打ち蕎麦 たがた
050-5486-5469
5/25㈬、お世話になっている宗像の【和菓子このわ】さんへ行ってきました。
目的は蕎麦懐石の最後にお出ししている甘味のレベルアップ。もちろん和菓子ではない時もありますが、やはりベースは和が良いです。
特に餡を包む技術を習いに。
最初から最後まで、しっかり教えて頂きました。今回は蕎麦懐石で出していた麩饅頭。とても丁寧に分かり易く教えて頂き、感謝しかありません。
大将が並べたこし餡。全て計量しているのではなく、体がこのサイズを覚えている!
流石の職人技!!
蒸して冷やした後は笹で包む。
最後の包む工程にも細やかな配慮、仕事の丁寧さがあります。職人として共感する所や、尊敬する所が沢山です!
今回、お忙しい中、時間を割いて教えて頂いた事に本当感謝です。そして職人としての考え方や在り方も凄く勉強になりました。
笹の香りと甘さと絶妙の塩味。
絶品でした!!
和菓子このわさん。是非お勧めです。
福岡県宗像市三郎丸1-4-31
☎0940-22-8136
前菜(この時は9品)
トマトの煮凝り火入れ
トマトの煮凝り型に入れて固めます
この時の前菜について、作り方やポイントをご紹介いたします。
籠は以前にもご紹介したかもしれませんが、大分・別府の竹細工職人さんに特注で作って頂いた虎竹を使用したものです。虎の模様が出るように竹を割り、竹ひごを作る際にも順番を付けておき、番号通りに組み上げるという気の遠くなるような手仕事で、細部を見ても本当に素晴らしい芸術品です。使うのが勿体ないほど!!(笑)
左上から右に
【落花生のすり流し】生の落花生を塩茹でし、甘皮を剥いてペーストにします。そこに京都の山利商店さんから送ってもらった白味噌と塩で味を調えます。この白味噌、うちではマストアイテムでこれが無いと味が決まらないので切らさないようにしています。落花生ならではの風味豊かな味と香りが良い一品です。
【トマトの煮凝り】写真にもありますが、熊本産のコクあまトマトを湯剥きして しっかりペーストし、さらに裏ごしします。煮立たせないようにゆっくり火入れして塩で甘味をぐっと出します。火入れがポイントで、持論ですがトマトは生で食べるより火入れした方がぐっと旨味がアップして美味しいんです。何故この時期にトマト?ですが、トマトは夏野菜のイメージが強いですが、実は春と秋が一番美味しい時期なんです。自店の蕎麦懐石では基本的に旬の美味しい食材で成り立っています(笑)
【菊花のお浸し】山形産の菊花を水切りした豆腐と合わせて甘酸っぱいマイルドなお浸しにしています。
真ん中の列 左から右に
【茗荷の胡麻味噌和え】高知産の茗荷をさっと茹でて塩を振り、冷ました後に一度 甘酢に漬けます。この甘酢もポイントで、こちらも京都から送って頂いている村山醸造酢さんの御存じ千鳥酢を使っています。これもコクとマイルドな酸味で欠かせないアイテムです。それを先程の白味噌、胡麻で絡めます。
【青梗菜と零余子の海老油炒め】先ずは素干しした海老を胡麻油でじっくり旨味を抽出して海老油を作ります。そこにほくほくに茹でた零余子を入れ、シャキシャキの状態で青梗菜を炒めます。海老の香りがしっかり絡んでおいしいです。
【牛肉と牛蒡の時雨煮】前菜の中に甘辛い味が欲しかったので入れた一品。ささがきにした牛蒡と牛肉がベストマッチです。アクセントに糸唐辛子を添えています。
手前の列 左から右に
【馬鈴薯と三つ葉の辛子浸し】極細に切った馬鈴薯と茹でた三つ葉を蕎麦屋のコクのあるお出汁で辛子を利かせたお浸しに。上から鰹節をアクセントに
【帆立といくらの黄身酢かけ】甘味がしっかりある北海道産の帆立貝柱をさっと炙り、黄身酢をかけ、自家製イクラの醤油漬けをのせました。帆立とイクラを黄身酢がうまく調和させています。
【赤芽芋と蓮根の梅肉和え】茹でた赤芽芋は半量を乱切りに半量を叩いた紀州南高梅の梅干しと合わせて和え衣に。
そこにシャキシャキの佐賀・白石蓮根を合わせ、ねっとりとシャキシャキのコントラストが面白い一品です。
説明がくどくなりましたが(笑)、こうやって全てのお料理に魂込めてお作りしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
【無花果の白和え】
和え衣が白いので名前も白和え。
周知の事ですが、お豆腐に塩、砂糖、醬油などで味を付けますが コクを出す為に味噌や練り胡麻等も入れます。
これは、黒練り胡麻を使っているので…
色が黒い和え衣です。
ですので正確には「黒和え」なんです!!(笑)
黒和え衣に無花果、大葉の千切り、ローストして少し塩を利かせた松の実と振り柚子をアクセントにしています。
すこしづつを全部お口に入れて、絶妙なハーモニーを楽しんで頂きたい ひと品です。
このお料理のヒントは、料理屋での修業時代に無花果を大葉で包み、桂剥きにした梨を巻いて輪切りにしたお料理から得ました。梨の甘味に無花果の風味と大葉の香りが絶妙な組み合わせだったので、ひら川風にアレンジしてみました。
今後も蕎麦懐石でお出ししているお料理の制作秘話やここポイントなどをお伝えしていきたいと思います。
お楽しみに…(笑)
ある月の前菜。竹籠は別府の竹細工職人さんに自分で図面を書いて別注品したもの。(竹は虎竹を使用しています。)
蕎麦懐石・梅では面前で石臼を回して挽きたてを蕎麦搔きにします。
献立を考える時の資料。ほとんど写真付きでイメージしやすいようにしています。
ある月の蕎麦搔き。母から借りたエルメスの器で(笑)山葵は備前、塩を超ミニサイズのロイヤルコペンハーゲンで。
かなり長いです。興味のある方だけお読みください。(笑)
お客様から蕎麦懐石って何?どんなものか想像がつかない…とたまに言われます。
確かにおっしゃる通りだと思います。何故なら蕎麦懐石っていう定義なんてどこにも無いですから…(笑)
ハッキリ言って、その店の店主が自分の思った通りにしているだけです…。
例えば、ある店では最初から最後まで蕎麦を使ったものをお出ししています。蕎麦切りを何種類も用意して、蕎麦粉を色んな料理にアレンジして。これも立派な蕎麦懐石だと思います。
では蕎麦ひら川の蕎麦懐石は?というと…
もちろん蕎麦屋ですのでお蕎麦は入りますが、店主がその時期の旬の食材を使って自分が食べたいもの(笑)、お客様に食べて頂きたいものを中心に組み立てたものです。
しかし内容は何でもありという事ではありません。最後のお蕎麦を美味しく食べて頂くのがテーマですから、自分の中での料理に対する線引きを設けています。
私はニンニクや辛い物、スパイシーなものが大好きです。しかしそれを使ってしまうと、お蕎麦を食べる時にまで残ってしまい本末転倒してしまいます。また、鮮魚も使いますが刺し盛などの料理はしません。美味しい魚が食べたいのであれば和食屋さんやお寿司屋さんに行ったほうが良いですよね。うちの魚は必ずひと手間加えたり、野菜と組み合わせたりして全体とのバランスを考えています。勿論、和だけではなくイタリアンやフレンチなどの技法も取り入れてますが全てにおいて考えの根底を終始一貫しています。
私は蕎麦屋修行の後、料理屋で勉強しました。そこの大将がとにかく何でも自分の学びたい事を勉強させてくれる懐の大きな人で、魚を学びたいと言えば店で扱う魚の量は限られているので魚屋の方が数を扱えると取引している魚屋に午前中行かせてもらい、午後に店に入ったり、肉を学びたいと言えば肉屋に行かせてもらったりと。(その肉屋の賄いがすごかった!!カレーなんかルウなのか肉なのか分からないくらい入ってた笑)
そんな感じで色々と身に着けたものの、開業してから単品中心の店で、しかも客席数もそこそこあるので献立も何でもできる訳ではなく、ひとりでも調理をこなせるように効率の良いものに絞ることになりました。あれもしたい、これもしたい…しかし蕎麦屋は前もっての予約は少なく、直前の予約がほとんどでした。
かなり長い期間、悶々としていましたが やはり自分の熱い気持ちを料理や蕎麦に乗せてお出ししたい!!が強く、ついに約2年前に、前もって予約を頂戴し しっかり作り込んだものをお出し出来る蕎麦懐石をスタートしました。しかも分かっているお客様であれば、その顔を思いながら作る事ができます。やはりそれは大きいです!!
スタンダードな蕎麦懐石は梅です。
先付、前菜、手挽そばがき、煮物焼き物など、揚げ物、せいろ、種物蕎麦(温又は冷)、甘味などでバランス良く蕎麦ひら川を堪能できるような内容になっております。
内容は、ほぼ(笑)毎月替ります。始まって2年間コロナによる時短要請で休んだり再開したりの繰り返しで大変ですが…
毎月の内容変更、正直言って思っていた以上にサイクルが早いので大変です。ほぼ(笑)毎月フルモデルチェンジですから…
例えば9月の蕎麦懐石。献立は8月中旬には決定していなくてはいけません。なので8月初めには考え始めます。中旬からは試作を繰り返し、完成度を高めます。勿論、食材仕入れやその確保も同時進行です。そして毎月、両親に試食を出します。一応、親孝行のつもりです。(笑)
なので実際にお客様に8月の蕎麦懐石を提供しながら、ほぼ同時進行で9月のをやっている訳です。単品もやりながら。それを毎月やっています。結構大変!!(笑)
それでも やりたい の方が強いんです。もうバカですね…
献立作りは、まずその月の食材を全て書き出します。
野菜、果物、魚介類…それを見ながら、自分が食べたいもの、食べてもらいたいもの、作りたいもの、作ってみたいもの等 思いつく限り書き出します。凄い数になります。
そしてさらにその月のテーマ、自分のファイリングしている料理などを加味していきます。
ファイルは先付用、前菜用(春、夏、秋、冬)、煮物用、焼き物用、揚げ物用、蕎麦用、甘味用と種類別に分けられています。これは修業時代よりため続けていた膨大な資料をコロナの最初の頃に休業して出来た時間を有効活用して作ったもので、それにより献立作りが飛躍的にスピードアップしました。勿論これは今も現在進行形で常にアンテナを張って良いと思ったものは追加しています。
最終的に季節感、色彩など熟考に熟考を重ねて一つの献立になります。
自分では色もかなり意識していて、特に五色(白黒青(緑)黄赤)は必ず前菜に入るようにしています。なので設計図のように紙に書いて色の配置、味の配置を落とし込んでいきます。
献立を作りながらある程度は意識していますが、最後に器を選んでいきます。
母の影響で器にはこだわりがありまして、特に和食では、陶器、磁器、漆器、ガラス、錫、木などの多くの種類とさらに色、形、サイズ、重さそして新・旧と様々です。
蕎麦ひら川の蕎麦懐石では、もちろん自分で作家さんより直接購入したものを始め、皿フェチである母のコレクションを実家からも引っ張り出して使っております(笑)。
最初は自分の宝である器を店で使うのを反対していましたが、最近はお客様も家に招く事も少なくなり、「器は使ってなんぼやろ?」の私の一言にスイッチが入ったのか、今ではかなり協力的に貸してくれます。
ですので、店では絶対に買えない古い柿右衛門だったり、作家もの、面白いところでは蕎麦掻きにエルメスの器を使ったり…
やりたい放題です!!(笑)
恐らく普通の蕎麦屋ではあり得ないようなレベルの器をふんだんに使っていると思います。
ここまでくると もう商売というよりは、お客様の喜ぶ顔が見たいという自己満足になっている気もしますが…
かなりかなり長い事 書きましたが、かくかくしかじかのような工程を経て、自分の全てを注ぎ込んだ
魂の蕎麦懐石 なのです!!
是非 一度 ご賞味下さいませ。
最後まで読んで頂き、ありがとうございまいた。
緊急事態宣言解除により、やっと酒類提供できるようになりました。
自店は蕎麦屋ですが、お料理とお酒もウエイトが大きいので酒類提供無しはとても辛いです。お酒が頼めないとそれに伴って料理の注文もなくなります。
最初の2週間くらいは以前と変わらず料理も仕込んでましたが、全く注文が入らなかったので作るのを暫く止めていました。
料理の仕込みがないと、かなりの時間ができます。
この時間を有効活用しようと考えたのが、もっと深く深く自分の蕎麦を見つめ直すという事でした。
蕎麦を作るにあたって、色んな工程がありますが、どれ一つとっても欠けてはいけないのです。
1,仕入れ(玄蕎麦の良し悪し)
2,玄蕎麦の管理
3,製粉
4,こね
5,のし
6、切り
7,茹で
8,洗い
この中でも特に重要な製粉をもう一度しっかり見直そうと、普段の忙しい日々では出来ない事をしました。
自店には石臼が3台ありますので、それぞれの特徴を踏まえて色々試しました(試し中です)。通常であれば一度の蕎麦打ちで1.5~2.5キロを一度にしますが、色んな製粉をしてその違いをしっかり把握する為にすべて1キロずつ打ちました。
例えば同じ石臼でほんのすこしづつ粉の粗さを変えていき、香りの出方を検証してみるとか…あーーーめんどくさい(笑)こんな感じです。
まだまだ色んな産地でその蕎麦に適した製粉を模索してますがデータをとってその蕎麦のポテンシャルを最大限に引き出せるようやってみます!!
地道で遠回りのような作業ですが、漠然としたやり方でやっていくより、これが一番の近道なのかもしれません。
昨日より今日、今日より明日の蕎麦が美味しくなりますように。
18年使ってきた玉子焼きのフライパンが遂に壊れてしまいました。
修業時代、まだ営業では玉子焼きを作らせてもらえなかったので、家でも練習しようと購入。家だけでは作った玉子焼きを食べてもらえる人が足りないので実家にまで行って作ったものです(笑)
一度の練習で玉子100個くらい使うので、恐らく両親はここで一生分の玉子焼きを食べたと思います。なので、うちの店に来た時は玉子焼きは注文しません…(笑)
自分としては熱伝導率が良すぎて使いづらいので、わざと外側を洗わずに煤を付けてたんですが、新品のピッカピカのフライパンで上手く巻けるのだろうか?更にいい感じに緩んだ接続部が返しやすくなっていたのも新品だと しっかり固定されていて返しにくそう…
まあ、慣れだと思いますが…そしてあの時よりも確実に料理スキルが上がっているので大丈夫だと…(自分に言い聞かせて…)
明日が初使用。ドキドキします(笑)
年越蕎麦の製粉時期が近くなると決まって石臼から音が出るようになる…
しかも12月初旬ではなく、決まって中旬頃に。
最初はモーターやベルト、油切れ?など機械の調子が悪いと思っていたが…
どうもそうでないみたい。いつの間にか何事もなかったかのように出なくなるのだ。
だいたい12月は中旬から一気に寒くなるので、それによる石臼のコンディションの変化か?
それとも暖房のせいか?しかし暖房はもっと前からつけているし…
やはり石臼の目詰まりか?やらなきゃと思いながら、なかなかしていなかったので
定休日に掃除しました。営業日ではなかなか難しいのである。
結構粉まみれになるし、石臼もかなり重たい…
そして大事なポイント。ばらす前と同じ位置に合わせて元に戻す。
これは結構繊細なところで、石の微妙な位置のズレで上臼と下臼の噛み合わせが狂うと製粉の感覚がズレるのだ。
もちろん製粉はできるが、ポイントがずれると またそのポイントに合わせて微調整を繰り返さないといけないので、かなり面倒な作業になるのだ。
なので写真撮ったり絵に書いたりして完全に元の位置に戻すのだ。
一年間お疲れ様です。の気持ちを込めて丁寧に掃除しました。
明日から良い粉が挽けると嬉しいな。
すっかり忘れておりました。12月7日㈪で13周年を迎える事ができました。
お客様、スタッフ、家族のおかげです。感謝しかありません。本当にありがとうございます。
このコロナ渦で、有り難い事に㈪は忙しくさせて頂き周年の事などすっかり忘れておりました。(笑)
SNSで蕎麦屋仲間が周年の投稿したのを見て思い出しました!!(笑)
13年の間、色々な変化がありました。
もちろんスタッフとも色んな出会い、別れ。お客様とも
蕎麦や出汁、料理も色々変わっていきました。
店のスタイルも…
しかし、お客様に美味しいものをお出ししたい。良い時間を過ごして頂きたい。という気持ちは開店以来ずっと変わらず持ち続けています。
これからも日々精進して参ります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
因みに健康診断の結果は今のところ大丈夫だそうです。
ちょっと安心しました。これで安心してお酒が飲めます!!(笑)
昨日から氷水につけていたので、すっかり血が抜けました。
まだ抜けてなければ延長するとこだったのでほっとしてます。
本日より塩漬けの工程です。1週間程(正確には8日)漬ける予定です。
明日から出てきた水分を捨てては塩を足す工程を繰り返します。
そして大量に仕入れてきた渋柿をムキムキ。
約40個程を吊るしました。
僕はあまり水分を抜きすぎない方が好きなので、ふわとろに仕上げます。
家のベランダに干しているので鳥にやられないか心配です汗
今日から毎日ベランダに行くのが楽しみです!!
今年も唐墨を仕込む時期になりました。
今回のコンディションはかなり良好です。魚屋さんから3キロありますがどうされますか?
との事。コンディションが良いので全部欲しい…欲しいけど冷蔵庫に入れて仕込むには多すぎる…
やむなく半分量をしいれ。残念でしょうがない。
本日仕込み初日。針で血を抜く作業。とても面倒くさいがこれを丁寧にしないと生臭くなるので結構大事な工程。根気良くこなしたあとは氷たっぷりの水で一晩。それでも抜けなかったら、さらに続ける。とにかく大事なのだ。
これが終わると塩漬け、塩抜き、酒漬け、乾燥と続く。
とても長い道のりである。
出来上がりが非常に楽しみだが店主は食べれないのだ。いや正確に言うと食べてはいけないのだ。
大好きなのに…
そう、プリン体は尿酸値の敵なのである。本日健康診断。
郵送で結果が送ってくるらしい。さて吉とでるか凶とでるか。
お客様にお出しする唐墨が少なかったら、吉とお察し下さいませ(笑)
会社員時代はありがたい事に黙っていても定期的に健康診断をしてくれていた。
その時はただ面倒くさい儀式のように感じていたが(若かったせいもあるだろうが…)、今となっては非常に有り難い事だったとしみじみ思う。
開業して13年。ただひたすらに走り続けてきた。気づけば不規則な食事で腹回りが恐ろしい事になっている。何度ダイエットに取り組んできたことか…年齢と共に代謝が落ちて、以前と同じようにしていても体重増加が止まらない汗
そろそろ重い腰を上げて医療機関で、ちゃんとした検診を受けてみることにした。年齢的にも体をチェックしなければ…もう外見のウエストがなんて言っている場合ではない。根本的に健康か調べねば。
来週の火曜日に受診。すでに前々日から検便や前日からの絶飲食がはじまる。毎日帰宅後に一日の楽しみとして飲食している自分にとっては意外とつらいのである。(笑)
診断結果が恐ろしい…